ロードバイクの走行性能を左右する「ホイール」は、構成や選び方によって大きく違いが出る重要なパーツです。
この記事では「ロードバイクのホイールとは」を詳しく解説していきます。ホイールの基本的な仕組みから、乗り心地の違い、ホイールとタイヤの関係、人気なブランドまで幅広い情報を紹介します。
本記事では、ホイールを構成するリム・ハブ・スポークの役割をはじめ、ホイールの種類ごとの特徴や適合サイズの調べ方についても詳しく解説します。また、ホイールを変えるメリットや選ぶ際のポイントについても紹介することで、初心者の方でも自分に合ったホイール選びができるようサポートします。
- ホイールとタイヤの違いや関係性
- ホイールの基本構造と各パーツの役割
- ホイールの種類や特徴、選び方のポイント
- ホイール交換による走行性能や乗り心地の変化
ロードバイクにおけるホイールとは何かを知ろう
- ホイールとタイヤの違いと関係性
- ホイールを構成するパーツの解説
- リムの役割と種類について
- ハブの機能と性能の違い
- スポークの構造と組み方の種類
ホイールとタイヤの違いと関係性

ロードバイクにおいてホイールとタイヤは密接に関係していますが、役割は異なります。
ホイールは「車輪」として自転車の回転運動を担い、構成パーツにはリム・ハブ・スポーク・ニップルなどが含まれます。
一方でタイヤはホイールの外側に装着され、路面との接地を担当します。
この違いを理解することは、性能向上や快適な走行のために重要です。
ホイールの剛性や重量はペダリングの効率に直結し、タイヤの種類や空気圧設定はグリップ力や乗り心地に影響します。たとえば、軽量なホイールに適切な幅のチューブレスタイヤを組み合わせれば、路面抵抗を抑えつつ快適性も向上させることができます。
ホイールとタイヤの相性は性能に直結するため、交換やカスタマイズを行う際には両者の特性を総合的に見極めることが重要です。
ホイールを構成するパーツの解説

ロードバイクのホイールは、主に「リム」「ハブ」「スポーク」「ニップル」の4つのパーツで構成されています。それぞれが重要な役割を果たしており、全体の性能や耐久性に影響します。
パーツ名 | 位置・構造 | 主な役割と特徴 |
---|---|---|
リム | ホイールの外周部分 | タイヤを支える部分。素材はアルミやカーボンで、軽さと剛性のバランスが求められる。走行性能に直結。 |
ハブ | ホイールの中心部 | 車軸となる回転部分。内部のベアリング品質が回転性能を左右する。 |
スポーク | ハブとリムをつなぐ細い棒状部材 | ホイール全体の剛性と安定性を支える。素材や組み方で軽量性や耐久性が変わる。 |
ニップル | スポークの先端、リムと接続する部分 | スポークの張力(テンション)を調整し、ホイールのバランスを整えるために必要な部品。 |
リムはタイヤを支える外周部分で、素材にはアルミやカーボンが使われます。
軽さと剛性のバランスが求められ、走行性能に直結する部分です。
ハブはホイールの中心に位置し、回転の軸となるパーツです。
内部のベアリングの品質が回転性能に大きく影響します。
スポークはリムとハブをつなぐ部材で、ホイール全体の剛性と振れの少なさを支えています。
スポークの組み方や素材によって、軽量性や耐久性が変わります。
ニップルはスポークのテンションを調整するためのねじで、ホイールのバランスを取るために必要不可欠です。
これらのパーツが精密に組み合わさることで、高性能なホイールが完成します。
リムの役割と種類について

リムはホイールの外周部に位置し、タイヤを支える役割を持ちます。
リムの素材や形状によって走行性能や乗り心地が大きく左右されるため、重要なパーツのひとつです。
素材はアルミとカーボン
まず、素材にはアルミとカーボンが主に使われます。
アルミリムは耐久性が高く価格も手ごろで、初心者にも扱いやすいのが特徴です。
一方、カーボンリムは非常に軽量で高剛性なため、レースやヒルクライムなどで性能を最大限に発揮します。
形状は3種類ある
リムの形状には「ローハイト」「ミドルハイト」「ディープリム」の3種類があり、リムの高さによって特性が異なります。
ローハイトは軽快な漕ぎ出し、ミドルハイトはバランスの取れた性能、ディープリムは空力性能に優れています。
また、リムの幅や構造も走行安定性やタイヤとの相性に影響します。最新のホイールでは、チューブレス対応やディスクブレーキ専用リムなど、用途に応じた多様な仕様が用意されています
ハブの機能と性能の違い

ハブはホイールの中心に位置し、車輪の回転を支える中核的なパーツです。ホイールの性能を左右する要素が集中しており、特に回転性能や駆動効率に直結します。
ベアリングの種類
ハブの基本的な構造は、シャフト(軸)とベアリング、フランジから成り立ちます。ベアリングの種類には「シールドベアリング」と「カップ&コーンベアリング」があり、前者はメンテナンス性に優れ、後者は調整可能で耐久性が高いという特徴があります。
リアハブの役割
リアハブには「フリーボディ」が組み込まれており、スプロケットを装着して駆動力を伝達します。フリーボディの構造やラチェット機構の違いによって、ペダリングの反応性が変化します。
車体との互換性には注意
また、ハブの幅(エンド幅)や固定方式(クイックリリース/スルーアクスル)も重要な要素で、車体との互換性を確保する必要があります。高性能なハブは、滑らかな回転と駆動効率の高さを実現し、より快適でスムーズな走行を可能にします。
スポークの構造と組み方の種類

スポークはハブとリムをつなぐ重要なパーツで、ホイール全体の強度・剛性・回転バランスを支えています。構造や素材、組み方によってホイールの性能は大きく変わります。
素材は様々
素材には主にステンレスが使われていますが、アルミやカーボン、チタンなども存在します。形状はストレートな「プレーン」、途中が細くなる「バテッド」、空気抵抗を抑える「エアロ」などがあり、用途に応じて選ばれます。
スポークの組み方は2種類
スポークの組み方は大きく分けて「ラジアル組」と「クロス組」の2種類です。
ラジアル組はハブからリムに対して直線的に配置する方式で、軽量かつ反応性に優れますが、トルク伝達には不向きです。
一方、クロス組はスポーク同士を交差させることで、強度とトルク伝達性を確保します。リアホイールやディスクブレーキ用ではクロス組が一般的です。
また、スポークの本数やテンション調整も性能に影響を与える要素です。用途や好みに応じて最適な仕様を選ぶことが重要です。
ロードバイクホイールとは初心者に最適な選び方
- ホイールの種類と特徴を比較
- ホイールを変えるメリットとは
- 適合サイズの調べ方とETRTO規格
- 左右の向きの確認ポイント
- 人気のホイールブランドを紹介
ホイールの種類と特徴を比較

ロードバイクのホイールには、大きく分けて「完組ホイール」と「手組みホイール」の2種類があります。目的や走行スタイルに合わせて、適切なタイプを選ぶことが重要です
初心者は完組ホイールがおすすめ
完組ホイールは、メーカーが設計・製造した既製品で、精密に組まれており性能のバランスが優れています。軽量で高剛性なモデルが多く、プロレースにも対応するハイエンド製品も豊富です。コストパフォーマンスが高く、初心者にも扱いやすいのが特長です。
カスタマイズしたいなら手組みホイール
一方、手組みホイールは、ハブ・リム・スポークを個別に選び、ショップやユーザーが手作業で組み立てるスタイルです。用途に合わせて自由にカスタマイズできる反面、専門知識と経験が必要となり、完成までに時間と手間がかかります。
リム素材は普段使いならアルミでOK
また、リム素材の違いも重要です。アルミリムは耐久性が高くコストも抑えられるため初心者に最適です。カーボンリムは軽量で剛性が高く、レース志向のサイクリストに人気があります。
用途や予算、求める性能に応じて、ホイールの種類を選びましょう。
ホイールを変えるメリットとは

ロードバイクのホイールを交換することで、走行性能や快適性が大きく向上します。特に完成車に標準装備されているホイールからグレードアップする場合、その効果は顕著です。
加速性の向上
まず、加速性能の向上が挙げられます。
軽量なホイールに交換することで、漕ぎ出しが軽くなり、登坂時の負担も軽減されます。また、剛性の高いホイールはペダルを踏んだ力を効率的に推進力に変換でき、加速時や登坂時のレスポンスが良くなります。
巡航性能の向上
次に、巡航性能の改善があります。
エアロ性能に優れたディープリムホイールを装着すれば、空気抵抗を抑えつつ高い速度を維持しやすくなります。ロングライドでの省エネルギー走行にも貢献します。
巡航速度は「航空機や船舶、車両などが燃料の消費効率が最も良い状態で移動(巡航)できる値」とされます。平均ではなく燃費が基準となっている点が平均速度と異なる点です。(ロードバイクにおける平均速度と巡航速度の違い)
乗り心地の改善
さらに、乗り心地の改善も重要なメリットです。
チューブレス対応ホイールとチューブレスタイヤの組み合わせは、路面からの振動吸収性が高く、長時間のライドでも疲労を軽減します。
このように、ホイールの交換は単なるパーツ変更にとどまらず、自転車の性能を大幅に引き上げる有効な手段です。
適合サイズの調べ方とETRTO規格

ロードバイクのホイールとタイヤには、それぞれ適合するサイズがあり、安全かつ快適に走行するためには正確に把握する必要があります。その基準となるのが「ETRTO規格」です。
ETRTOとは
ETRTOとは「European Tyre and Rim Technical Organization(欧州タイヤ・リム技術機構)」の略で、タイヤとリムのサイズを統一的に表す国際的な規格です。
数値は「タイヤ幅-ビード座直径(mm)」の形式で表記され、たとえば「25-622」は、タイヤ幅25mmでビード座直径が622mmを示しています。これがロードバイクの一般的なサイズ「700×25C」に相当します。
適合サイズの確認方法
適合サイズの確認は、ホイールやタイヤの側面に記載されている情報や、メーカー公式サイトのスペック欄で確認できます。特にタイヤ幅の選定は、リム内幅とのバランスが重要で、安全性や走行性能に影響します。
また、実際に取り付ける前には、ホイールとタイヤの組み合わせが互換性を持つかを確認することが不可欠です。特にチューブレスタイヤの場合、適合しないリムに装着すると密閉性が保てず危険を伴うことがあります。
左右の向きの確認ポイント

ロードバイクのホイールを取り付ける際には、「左右の向き」を正確に把握することが重要です。特にディスクブレーキやフリーボディを搭載したリアホイールでは、誤った方向での装着が性能低下や安全性の問題につながります。
リアホイールはスプロケット装着部が右
まず、リアホイールの場合、フリーボディ(スプロケット装着部)が右側、つまりドライブ側にくる必要があります。これによりチェーンとスプロケットが正しく連動し、駆動力が適切に伝わります。
前後ともに回転方向指定のあるタイヤを使用している場合は、タイヤのサイドにある矢印マークで進行方向を確認します。
ブレーキシステムによっても向きが変わる
また、ブレーキシステムによっても向きの確認が必要です。
ディスクブレーキ仕様では、ローターが左側に装着されるのが一般的で、これに合わせてハブの設計がされています。誤った方向に取り付けると、ブレーキキャリパーと干渉する恐れがあります。
ホイールの装着時には、ハブやスプロケットの配置、タイヤの回転方向、ブレーキディスクの位置を総合的に確認し、正しい向きで取り付けましょう。
人気のホイールブランドを紹介

ロードバイク用ホイールには多数のブランドがありますが、性能や信頼性で評価されている代表的なメーカーを紹介します。いずれも世界中のサイクリストから支持されており、用途やレベルに応じた製品ラインが揃っています。
SHIMANO(シマノ)
SHIMANO(シマノ)は日本のトップブランドで、レースから通勤まで幅広いユーザーに対応したホイールを展開しています。特にDURA-ACEシリーズはプロ仕様として高い評価を得ており、剛性と軽量性のバランスに優れています。
CAMPAGNOLO(カンパニョーロ)
CAMPAGNOLO(カンパニョーロ)はイタリアの老舗メーカーで、洗練されたデザインとスムーズな回転性能が特徴です。中でもBORAシリーズは高性能かつ上質な乗り味で、上級者に人気があります。

MAVIC(マヴィック)
MAVIC(マヴィック)はフランスのブランドで、「完組ホイール」を世に広めた存在です。KSYRIUMシリーズはコストパフォーマンスに優れ、初心者からレース志向のライダーまで幅広く対応します。

FULCRUM(フルクラム)
FULCRUM(フルクラム)は若手エンジニアたちが立ち上げたブランドで、高い剛性と耐久性を持つレーシングホイールを得意としています。USBベアリングを採用したモデルは、滑らかな回転性能が魅力です。

DT SWISS(DTスイス)
DT SWISS(DTスイス)はハブ性能に定評のあるスイスブランドで、信頼性と精度の高さからOEM採用も多く、ロングライドや過酷な環境でも安心して使用できます。

それぞれのブランドには独自の技術や設計思想があり、目的に応じた選択が可能です。
ロードバイクのホイールとは何か?要点まとめ
- ホイールはリム・ハブ・スポーク・ニップルで構成される回転部品
- タイヤはホイールの外側に装着され路面と接地する役割を持つ
- リムはタイヤを支える部分で素材と形状が走行性能に影響する
- ハブは回転軸でありベアリングの性能が滑らかさを左右する
- スポークは剛性と安定性を保つための重要な構造部材
- ニップルはスポークの張力を調整してホイール全体のバランスを取る
- リムの高さにはローハイト・ミドルハイト・ディープリムがある
- カーボンリムは軽量で高剛性、アルミリムは耐久性とコスパに優れる
- ハブにはシールド型とカップ&コーン型の2種類のベアリングがある
- リアハブにはフリーボディがあり駆動効率に大きく影響する
- スポークの組み方はラジアル組とクロス組に分かれる
- 完組ホイールは精度とコスパに優れ初心者に最適
- 手組みホイールはカスタム性が高いが組立に知識が必要
- ETRTO規格によりタイヤとリムの適合サイズを正確に把握できる
- ホイール交換により加速・巡航・乗り心地の全てが向上する
<PR>【着るだけ】加圧シャツでサイクルしながら脂肪燃焼!
加圧シャツダイエット
— ちょこみ (@mimim335) January 3, 2025
加圧シャツを着ることで筋肉を強化したり姿勢を正したりすることで基礎代謝を上げ、痩せるダイエット法。
着るだけでトレーニング!?
加圧シャツとは、着圧の強いシャツであり、着て運動や筋トレをすることで運動効率をグッと上げることのできるアイテムです。サイクル中に身に着けることで、体幹を鍛えられたり、基礎代謝が上がるため、より引き締まった体に近づく手助けをしてくれるでしょう!
サイクル中でなくても、普段の日常生活の中でも身に着けるだけで一つ一つの動作に負荷がかかり、無意識にトレーニング状態とすることができるのです。